数学基礎論若手の会2020年度で発表しました

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数学基礎論若手の会2020年度で「ハウスドルフ測度に関する基数不変量」という題で発表しました。

発表スライド: http://www.sic.shibaura-it.ac.jp/~ikegami/wakatenokai2020_goto.pdf

S大のY先生やM先生にも聴いてくださって感謝感謝です (Y先生はこのスライドに出てくるイデアルの名前の由来になっている先生です)。 またY先生にはハウスドルフ測度の基数不変量に関する先行研究を教えていただきました。 これを眺めた結果分かったことは下のセクションで書きます。

今回の研究の種は完全に木原さんによるものなのですが、彼とは懇親会でもスライドの中の予想についてディスカッションできました。ありがたいです。

今回のほかの方々の発表の中では、神戸大の岩田さん、倉橋さん、秋田大の新屋さんの発表が特に面白かったですね。 また、懇親会ではいろんな方とお話することができました。特にT氏には学振の相談に乗っていただいたのは大変助かりました。

では、また来年度の数学基礎論若手の会で会いましょう!

先行研究を読んで分かったこと

FremlinはZFCでadd(null) = add(N^r_n)かつcof(null) = cof(N^r_n)であることを示しているようです。ここでN^r_nはℝ^nのr次元ハウスドルフ測度0イデアル。 ShelahとSteprānsはnon(N^r_n)とnon(null)を分離しているみたいです。ElekesとSteprānsはcov(null) < cov(N^1_2)の無矛盾性も示しています。

なので私の結果の一つのnon(HDZ)とnon(null)の分離はShelahとSteprānsがすでにより強いことを証明していたということです。 しかし、ShelahとSteprānsは複雑な強制法を使っているのに比べて、私のはMathias強制法という有名でシンプルな強制法で示したのでそこは価値があるのじゃないかと思っています。 それに、自分が証明した結果が実はShelahがもっと強いことを証明していたってテンション上がりませんか?

I_idとHDZの分離は先行研究にもない (そもそもこの二つの関係を論じていない)ので、私が解決してみたいですね!